パーキンソン病という名前を聞くと、「手がふるえる病気」「歩きにくくなる病気」という印象を持つ方が多いかもしれません。
最近では、パーキンソン病と食事、腸内環境、生活習慣との関係も少しずつ研究されています。
ただし、「これを食べると必ずパーキンソン病になる」という食品はありません。
大切なのは、ひとつの食べ物だけを怖がるのではなく、毎日の食事や生活習慣をやさしく整えていくことです。
今回は、パーキンソン病と食事の関係、発症リスクを高める可能性がある生活習慣、そして今日からできる予防の考え方をわかりやすくお伝えします。
パーキンソン病とはどんな病気?
パーキンソン病は、脳の中で体の動きを調整する部分がうまく働きにくくなる病気です。
主な症状には、次のようなものがあります。
・手足がふるえる
・体が動かしにくい
・歩き出しにくい
・表情が乏しくなる
・転びやすくなる
・便秘や睡眠の乱れが出ることもある
高齢になるほど発症しやすくなりますが、原因はまだ完全にはわかっていません。難病情報センターでも、多くの場合は特別な原因がはっきりしないと説明されています。
そのため、食事だけで予防できる病気ではありません。
しかし、生活習慣や環境因子が関係する可能性は研究されています。
「何をよく食べると発症しやすい?」と考える前に大切なこと
パーキンソン病と食事の関係では、乳製品、脂質、農薬への接触、腸内環境などが話題になることがあります。
中でも、研究では「乳製品の摂取」とパーキンソン病リスクとの関連が報告されています。特に低脂肪乳製品との関連を示した研究もあります。ただし、これは「乳製品を食べたから必ず発症する」という意味ではありません。観察研究であり、原因と結果が完全に証明されたわけではないためです。
また、2024年の食事とパーキンソン病に関するレビューでは、果物、野菜、全粒穀物、魚などを含む健康的な食事パターンは、発症リスクが低い傾向と関連しているとまとめられています。
つまり、ひとつの食品を悪者にするよりも、食事全体のバランスを見ることが大切です。
気をつけたい食べ方・生活習慣
乳製品のとりすぎに少し注意する
牛乳、ヨーグルト、チーズなどの乳製品は、カルシウムやたんぱく質を含む食品です。骨や筋肉のために役立つ面もあります。
一方で、パーキンソン病との関連を示す研究もあるため、毎日大量にとる習慣がある方は、少し見直してもよいかもしれません。
たとえば、次のような工夫です。
・牛乳を水分補給代わりに何杯も飲まない
・ヨーグルトやチーズばかりに偏らない
・魚、豆腐、納豆、卵、野菜なども組み合わせる
・「体に良いから」と同じ食品だけを続けすぎない
乳製品を完全にやめる必要はありません。
大切なのは、偏りすぎないことです。
脂っこい食事や加工食品に偏らない
揚げ物、菓子パン、加工肉、スナック菓子などが多い食生活は、体重増加や血管の健康にも影響しやすくなります。
パーキンソン病だけでなく、生活習慣病、認知機能、体力低下の面から見ても、毎日の食事が偏りすぎないことは大切です。
おすすめは、昔ながらの和食に近い食べ方です。
・ごはん
・魚
・豆腐や納豆
・野菜
・海藻
・きのこ
・みそ汁
・果物を少し
このような食事は、腸内環境を整えやすく、体の調子を保つ助けになります。
農薬や化学物質への接触にも気をつける
パーキンソン病では、農薬や殺虫剤、重金属などの環境因子との関連も研究されています。東京都医学総合研究所の解説でも、農薬・殺虫剤、金属、慢性的な頭部外傷などが環境因子として紹介されています。
家庭菜園や農作業をする方は、次のような対策を意識しましょう。
・農薬を使う時は手袋やマスクを使う
・使用後は手洗い、うがいをする
・説明書の量や使い方を守る
・室内で殺虫剤を使いすぎない
・換気をしっかり行う
過度に怖がる必要はありません。
でも、体に入る量を減らす工夫は大切です。
脳と体を守る食事の考え方
「減らす」より「足す」から始める
健康づくりは、何かを禁止するよりも、体に良いものを少し足すほうが続きやすいです。
たとえば、今日からできることは次のようなものです。
・朝食に味噌汁を足す
・昼食に野菜小鉢を足す
・週2回は魚を食べる
・納豆や豆腐を取り入れる
・果物を少量食べる
・水分をこまめにとる
いきなり完璧に変える必要はありません。
「昨日より少し整える」くらいで十分です。
腸内環境を意識する
パーキンソン病では、便秘が出やすいことも知られています。
腸の調子が悪いと、食欲が落ちたり、活動量が減ったり、気分も沈みやすくなります。
腸を整えるためには、次のような食品がおすすめです。
・野菜
・海藻
・きのこ
・豆類
・発酵食品
・水分
・オリーブオイルを少量
・よく噛んで食べること
便秘が続く場合や、急に便通が変わった場合は、自己判断せず医療機関に相談しましょう。
食事だけでなく「動くこと」も大切
パーキンソン病は、体の動きに関わる病気です。
そのため、日頃から体を動かす習慣を持つことは、介護予防の面でも大切です。
おすすめは、無理のない運動です。
・1日10分の散歩
・椅子に座って足踏み
・肩回し
・かかとの上げ下げ
・背筋を伸ばす姿勢づくり
・転倒予防のバランス練習
運動は、筋力だけでなく、気分転換や睡眠、社会参加にもつながります。
「運動しなきゃ」と頑張りすぎるより、買い物、散歩、掃除、外出など、生活の中で少し動くことから始めましょう。
家族ができるサポート
家族が気になる変化に気づいた時は、責める言い方をしないことが大切です。
たとえば、
「最近、歩きにくそうだけど大丈夫?」
よりも、
「一緒に少し散歩しようか」
「転ばないように、靴を見直してみようか」
「心配だから、一度相談だけしてみよう」
という声かけのほうが受け入れられやすくなります。
本人は、自分の変化に不安を感じていることもあります。
家族は「できないこと」を指摘するより、「一緒にできること」を探す姿勢が大切です。
受診を考えたほうがよいサイン
次のような症状が続く場合は、脳神経内科などの医療機関に相談しましょう。
・片方の手足がふるえる
・歩き出しにくい
・小刻み歩行になる
・よくつまずく
・表情が乏しくなった
・声が小さくなった
・動作が遅くなった
・便秘や睡眠の乱れが強い
早めに相談することで、生活の工夫や治療につながることがあります。
まとめ
パーキンソン病は、原因が完全にはわかっていない病気です。
そのため、「この食品を食べると発症する」と断定することはできません。
ただし、乳製品のとりすぎ、偏った食事、農薬や化学物質への接触、運動不足、社会参加の減少などは、健康全体を考えるうえで見直したいポイントです。
大切なのは、怖がりすぎることではありません。
・同じ食品ばかり食べない
・野菜、魚、豆類を増やす
・水分をとる
・便秘を放置しない
・無理なく体を動かす
・気になる症状は早めに相談する
このような小さな積み重ねが、将来の体力や生活の質を守ることにつながります。
健康づくりは、今日から少しずつで大丈夫です。
最近、体力の低下やもの忘れが気になる方へ。
親の健康づくりをどう支えたらよいかわからない方へ。
地域や施設で介護予防の取り組みを始めたい方へ。
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