「最近、もの忘れが増えた気がする」
「約束をうっかり忘れてしまうことがある」
そんな変化に、不安を感じている方もいるのではないでしょうか。
年齢のせいと思って見過ごしがちですが、こうした状態は**認知症グレーゾーン(MCI:軽度認知障害)**のサインであることもあります。
ただし、ここで大切なのは、認知症グレーゾーンはまだ引き返せる可能性がある段階だということです。
実際に、生活習慣の見直しや日々の工夫によって、健やかな状態へ戻った例もあります。
この記事では、認知症予防や介護予防に関心のある方へ向けて、記憶を助ける日常の工夫や、今日から始めやすい手軽な記憶トレーニングをわかりやすくご紹介します。
認知症グレーゾーン(MCI)とは?
認知症グレーゾーンとは、**MCI(軽度認知障害)**とも呼ばれ、もの忘れなどの変化はあるものの、日常生活はまだ大きくは困らずに送れている状態のことです。
たとえば、
- 頼まれたことを忘れやすい
- 約束をうっかり失念する
- 同じ予定を重ねて入れてしまう
- さっき聞いたことを思い出しにくい
こうしたことが続くと、不安になりますよね。
しかし、この段階はまだ対策が間に合う可能性がある時期でもあります。
放置せず、早めに気づいて生活を整えることがとても大切です。
物忘れが増えたときに大切な考え方
年齢を重ねると、誰でも多少のもの忘れは増えます。
そのため、「年のせいだから仕方ない」と片づけてしまいがちです。
けれども、変化が続いたり、以前より明らかに増えたりしたときは、早めに向き合うことが大切です。
実際、認知症グレーゾーンと診断されても、前向きに生活を見直し、日々の工夫を続けることで、元気に過ごしている方もいます。
大事なのは、必要以上に怖がることではなく、今からできることを始めることです。
認知症予防で意識したい3つの脳の力
認知症の予防では、次の3つの力が大切だとされています。
エピソード記憶
自分が体験したことを覚えておく力です。
「昨日、誰と会ったか」「何をしたか」などがこれにあたります。
注意力分割機能
2つ以上のことに気を配る力です。
たとえば、周囲を見ながら歩く、会話しながら次の行動を考える、といった場面で使われます。
計画力
段取りを考えて行動する力です。
買い物の順番を考える、予定に合わせて準備する、といった力が含まれます。
これらの働きが少しずつ弱ることがあるため、日常の中で意識して使うことが予防につながります。
記憶力を助けるカギは「インプットの工夫」
記憶には大きく分けて、**覚える(記銘)・保つ(保持)・思い出す(再生)**という流れがあります。
この中で、日常生活ですぐ取り入れやすいのが、覚えるときの工夫です。
何となく聞いたことは忘れやすくても、印象づけたり、意味づけしたりすると、記憶に残りやすくなります。
たとえば、次のような方法です。
声に出して確認する
「鍵を持った」「薬を入れた」「今日は14時に病院」
このように声に出すことで、頭に残りやすくなります。
指差し確認をする
電気を消したか、戸締まりをしたかなど、指差ししながら確認するのも効果的です。
関連づけて覚える
単独の言葉ではなく、2つ、3つの情報を結びつけると、あとで思い出しやすくなります。
たとえば「上野」だけではなく、**「上野・展覧会・午後2時」**のように、セットで覚えるイメージです。
今日からできる手軽な記憶トレーニング
難しい脳トレでなくても、日常の中でできることはたくさんあります。
1. メモは「2つか3つセット」で書く
予定や用事を書くときは、単語1つだけでなく、
- 場所
- 内容
- 時間
のように、2~3つを一緒に書くのがおすすめです。
例
- スーパー・牛乳・夕方
- 病院・内科・10時
- 娘さん・電話・夜
これだけで、見返したときに思い出しやすくなります。
2. 手帳やメモを1日3回見る
予定を忘れやすい方は、朝・昼・夕方のように時間を決めて見返すのがおすすめです。
「見る習慣」そのものが、記憶を助けてくれます。
3. 大事なことは声に出す
「明日はゴミの日」
「薬は夕食後」
「財布はバッグの中」
こうして自分の耳からも情報を入れると、覚えやすくなります。
4. その日の出来事を振り返る
夜に、
- 今日はどこへ行ったか
- 誰と話したか
- 何を食べたか
を思い出すだけでも、エピソード記憶の刺激になります。
ウォーキングと組み合わせると続けやすい
介護予防や健康づくりの面でも、ウォーキングはとても続けやすい習慣です。
さらに、歩く時間に少し工夫を加えると、脳への刺激にもつながります。
たとえば、
- 歩きながら今日の予定を確認する
- 買う物を2~3個思い出しながら歩く
- 昨日の出来事を順番に振り返る
- 景色や季節の変化を意識して歩く
こうしたやり方なら、体を動かしながら脳も使えます。
無理のない範囲で、**「歩く+思い出す」**を組み合わせてみるのもおすすめです。
家族ができるやさしいサポート
ご本人が不安を抱えているとき、家族の声かけはとても大切です。
ただし、強く注意したり、責めたりすると、かえって自信をなくしてしまうことがあります。
家族ができることは、
- メモや手帳を一緒に活用する
- 予定をやさしく確認する
- できたことを認める
- 一緒に散歩や会話の時間を持つ
といった、無理のない支えです。
認知症予防は、特別なことよりも、安心して続けられる習慣づくりが何より大切です。
まとめ|小さな習慣が脳の元気を支える
認知症グレーゾーン(MCI)は、不安を感じやすい状態ではありますが、まだ見直しや対策がしやすい大切な時期でもあります。
記憶力を支えるためには、
- 声に出して確認する
- 指差し確認をする
- メモを2~3点セットで書く
- 手帳をこまめに見返す
- ウォーキングと一緒に脳を使う
といった小さな工夫が役立ちます。
大切なのは、完璧を目指すことではなく、続けられることを少しずつ積み重ねることです。
今日からできる一歩として、まずは**「予定を2つ以上セットでメモする」**ことから始めてみてはいかがでしょうか。
毎日の小さな習慣が、これからの脳の元気につながっていきます。
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「まだ相談するほどでもないかも…」という段階でも大丈夫です。


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