「最近、名前がすぐに出てこない」
「もの忘れが増えてきた気がする」
そんな小さな変化に、不安を感じる方は少なくありません。
認知症予防というと、特別な運動や厳しい食事制限を思い浮かべるかもしれません。けれど実際は、毎日の暮らしの中で続けられることを少しずつ重ねることが大切です。
そこで今回は、身近な食品であるチーズに注目します。最新の研究では、高脂肪のチーズやクリームをとっていた人に、将来の認知症リスクが低い傾向がみられました。もちろん、チーズだけで認知症を防げるわけではありません。ですが、食べ方しだいでは、脳の健康を考えるうえでヒントになる可能性があります。
この記事では、チーズと脳の関係をやさしく解説しながら、介護予防の視点で取り入れ方や注意点もお伝えします。
高脂肪チーズと認知症リスクの意外な関係
2025年末に発表された研究では、スウェーデンの約27,670人を最長25年間追跡し、食事と認知症の関係が調べられました。
その結果、高脂肪チーズをよく食べていた人は、あまり食べない人に比べて、認知症リスクが低い傾向がみられました。
特に、1日50g以上の高脂肪チーズをとっていた人では、認知症全体のリスクが約13%低かったと報告されています。
これまで「脂肪が多い食品は避けたほうがよい」と考えられがちでしたが、食べ物は脂肪の量だけで単純に決められないことがわかってきました。
なぜチーズが脳に良い可能性があるの?
たんぱく質がしっかりとれる
チーズには、体をつくるために大切なたんぱく質が含まれています。
年齢を重ねると、筋肉が落ちやすくなります。筋力が落ちると外出がおっくうになり、人との交流や活動量も減りやすくなります。これは介護予防の面でも見逃せません。
食事でたんぱく質をとることは、体の元気を保ち、結果として脳へのよい刺激にもつながります。
カルシウムなどの栄養をとりやすい
チーズはカルシウムを含み、少量でも栄養をとりやすい食品です。
食が細くなってきた方でも食べやすく、朝食や間食に取り入れやすいのもよい点です。
発酵食品ならではのよさも期待される
チーズは発酵食品です。
最近は、腸の調子と脳の働きのつながりにも注目が集まっています。はっきり言い切れる段階ではありませんが、体全体の調子を整えることが、脳の健康を支える一つの土台になると考えられています。
睡眠との関係も知っておきたいポイント
乳製品と睡眠の関係を調べた研究では、※乳糖不耐の人で、胃の張りや不快感が悪夢や睡眠の質の低下に関係している可能性が示されました。
つまり、チーズや牛乳が誰にでも悪いわけではありません。
ただ、
「夜に乳製品を食べると胃が重い」
「寝つきが悪い」
と感じる方は、夕食後の量を減らしたり、食べる時間を早めたりする工夫がおすすめです。
※牛乳などに含まれる乳糖をうまく分解できず、飲んだあとにお腹がゴロゴロする、張る、下痢、ガスが増えるなどが起こる状態。
チーズは万能ではない|食べ方の注意点
今回の研究は、あくまで「関連」がみられたという内容です。
チーズを食べれば認知症を防げる、と証明されたわけではありません。
また、チーズには脂質や塩分が多いものもあります。
食べすぎると、体重増加や血圧の面で気をつけたい場合があります。
持病がある方や塩分制限をしている方は、量を控えめにすることが大切です。
認知症予防は生活全体で考えるのが基本
世界保健機関や近年の報告でも、認知症予防は一つの食品ではなく、運動、食事、睡眠、社会参加などを組み合わせて考えることが大切だとされています。
たとえば、
・こまめに歩く
・よく噛んで食べる
・人と話す
・趣味や役割を持つ
・しっかり眠る
こうした積み重ねが、脳へのよい刺激になります。
チーズは、その生活の中に無理なく入れやすい“脇役”として考えると続けやすいでしょう。
今日からできる、やさしい取り入れ方
はじめる目安は、1日20〜30gほどです。
6Pチーズなら1〜2個くらいが目安です。
おすすめは、
朝食に少し足す
小腹が空いたときの間食にする
サラダやゆで卵と組み合わせる
このくらいの気軽さで十分です。
毎日きっちりでなくても大丈夫です。
「食べすぎず、無理なく続ける」がいちばんのコツです。
まとめ
チーズは身近な食品ですが、最新の研究では、認知症リスクの低下と関係する可能性が示されました。
とはいえ、大切なのはチーズだけに頼ることではありません。
歩くこと。
しっかり食べること。
人と話すこと。
よく眠ること。
そんな毎日の積み重ねが、脳と体の元気につながっていきます。
「最近ちょっともの忘れが気になる」
「食事や運動を見直したい」
そんな方は、できることを一つずつ始めてみませんか。
やわらぎ介護予防サポートでは、日常の中で無理なく続けられる健康づくりを一緒に考えています。お気軽にご相談ください。
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